東海スクールネット研究会 国際貢献プログラム
 

1 国際貢献プログラムを継続しています

(1)はじめに
 2001年度から続けてきたネパール学校建設プロジェクトを現在も継続して行っています。
 山間僻地の学校建設支援をスタートに、都市部のストリートチルドレンや学校に行けない子のための学習支援、カトマンズ近郊の小中学校や保育園への継続支援を毎年行っています。さらに、近年は、カトマンズ授業補習校との交流も行っています。2010年以降の活動について、まとめました。

(2)国際貢献プログラムの趣旨
 現在、我々は豊かな文明社会の恩恵にあずかり、インターネットの普及に代表されるIT社会を向かえています。日本国内の学校では、校内LANが整備されインターネットを日常的に学習に活用しています。
 しかし、ネパールの山間地には貧しい村がたくさんあります。小学校には電気も通っておらず、満足な学習環境が整っていません。そこには同じ小学生でありながらインターネット環境どころか文房具にも不自由している子どもたちがいるのです。また、都市部にはストリートチルドレンの姿を見かけ、その数は、カトマンズだけでも3万人と言われています。
 日本の小学生はネパールについての知識はほとんどなく、そこの同年代の小学生がどのような生活をしているのか、どのような学校生活をおくっているのかをまったく知りません。また、自分達が国際的に貢献できるとは考えてもいないのが現状ではないでしょうか。
 そこで、日本の学校で行われたネパールの小学校支援の為の支援物資をネパールにまで持って行き、交流する活動を通して、ネパールの人々、子どもたちと交流を持てば、同じ地球人としての自覚がさらに出てくるのではと考えます。ネパールの友達の学習環境を作るための小さな輪を大きく大きくしていく活動です。

(2)ねらい
・ ネパールの小学校を訪問し、現地の小学生や教職員、村人と交流を持ち、相互理解を図る。
・ 必要な支援物資を持っていき、現地小学校の学習環境の構築に貢献する。
・ 帰国後に現地校とインターネットを通して共同活動を行う為の基礎を築く。

(3)実施期間
毎年、参加教職員の学校の夏季休業中を利用して現地に出かけ、活動を行っています。
2014年も、8月上旬に現地入りして、活動を行いました。

2 日本での活動
 それぞれのメンバーが、勤務校を中心に、ネパールの子どもたちをとりまく現状と、それに対してできることを児童生徒に考えさせ、実行する国際貢献活動を行っています。また、ネパールの文化を知り、体験する国際理解教育にも取り組んでいます。
 現地での活動の後は、必ず児童生徒に報告を行っています。
 これらの活動は、総合的な学習の時間や社会科などの教科学習の実践にフィードバックされています。また、学校間で、交流学習を実践する場合もあります。
 


各学校での取り組み

支援の協力を呼びかける

学用品を集める小学生

集めた学用品を整理する中学生

スーツケースとダンボール箱に詰め込んで

バンコク経由カトマンズまで空の旅

カトマンズに到着しました


3 現地での活動の様子

ナワジャグリティ小中学校
 カトマンズ北部のシェルパ族など少数民族が多く住む地区に、地域の人々が出資して建てられた学校です。校舎が手狭で、2部制で授業を行っています。高学年は朝6時から10時まで授業を行い、10時に集会をして低学年と交代し、低学年は2時まで授業を行います。ここへは、参加教職員が呼びかけて児童生徒から集めた学用品を支援しています。提供された学用品は、生徒会が自主管理し、必要な児童生徒に配布しています。また、日本の学校と作品交流も行ってきました。
 手狭だった校舎は、地域や外部からの募金で、3階建てに改修され、近くに運動場も設置されました。集めた募金の一部を提供しています。

日本から送った作品

ナワジャグリティ小学校から送られてきた作品

2007年の校舎

2013年の校舎


アルノダヤ小中学校
 カトマンズ北部のボーダナートに近い学校です。ここにも、参加教職員が呼びかけて児童生徒から集めた学用品を支援しています。日本の学校と作品交流を継続的に行っています。


チャンピ村はすの花保育園
 チャンピ村は、カトマンズ市の南西に位置するラリトプール郡の山間部にあります。ここでは、メンバーの一人が、継続的に妊産婦や乳幼児の健康調査と衛生指導を行っており、それにあわせて、保育園の支援を行ってきました。未就学児向け教材や玩具の寄贈と、メンバーの発案で始めたミルク給食、バナナ給食の支援を続けています。また、衛生的なトイレも建設しました。ミルク給食やバナナ給食は、効果が確かめられ、登園する園児の数も増加してきました。

バナナ給食

ミルク給食

新設されたトイレ

   寄贈されたスケッチブックを使って


カトマンズ日本語補習授業校
 カトマンズに住む日本人、日系人児童生徒が日本の教育を受けるための唯一の学校です。ネパール国内には日本人学校はありません。子どもたちは、普段は現地校に通い、土曜日(ネパールの週休日)に、ここで日本の教科書を使い、おもに国語と算数の学習をしています。
 日本人会の運営で、現地駐在の日本人が中心になって授業を行っています。ここでは、教職員と交流を続けています。ICTを活用した国語や算数の授業や、情報教育を実際に行い、教育方法などの意見交流をすすめてきました。


ダクチュウ村の小学校
 国際貢献プログラムのスタートとなったダクチュウ村の小学校は、地元の自治体の公式認可も下り、順調に運営されています。ただし、公式には教員1名分の給料しか支給されていないため、運営資金の援助を、毎年行っています。


ヘルプレスチルドレンスクール
 カトマンズ郊外の古都キルティプルにある、学校に行けない子どもたちのための無料の学校であるヘルプレスチルドレンスクールには、教材や運営資金の支援を行ってきました。日本からの支援で、敷地内に遊具を設置しました。また、制服を購入しました。



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